パエリアの作り方の疑問

●1・お米に芯を残すか、残さぬか。
 パエリアは米はアルデンテが鉄則です、しかし芯を残しては悔いを残しますよ絶対駄目、
これはスペインでも日本でも同じです。

芯が残った米のパエリアはエグくて食べられません。日本人のお年寄りには最悪のパエリアに成ります。
芯を残さず(心に残るパエージャを)アルデンテに炊き上げるのが腕の見せ所です。

●2・お米は新米か古米か。
 新米は水分が多く慣れた我々でも気を使います、
炊く時のスープ量が少し多いだけで柔らかくなりすぎ、少ないと芯が残りやすい状態です。
新米の時期から3ヶ月たてば大丈夫でしょう。
新米と古米の切り替え時期は、古米の方が良いでしょう。

近年は米の保存技術も発達して新米と古米の差は以前より格段と少なくなっています、
新米も古米も水分を14〜15,5%に調節して出荷されています。

スペインの米は日本人お感覚では殆ど古米と思ったほうが良いでしょう。
お米は古米だけど、腕は新米なんてのが一番困りますが。

●3・お米は洗う(とぐ)か、洗わぬか。
 スペインでは洗うことは有りません、スペインのお米は洗うと何時までもとぎ汁は牛乳の様に白く、
その内に割れて溶けてしまいます、(もちろん米の種類や収穫時期の差によりますが)。
スペインのお米は洗わないのでなく、洗えないが正しいかも。

 日本米も洗う必要がありません、ふたをしないで炊きますのでぬか臭さは気に成りません。
どうしても気になる方は無洗米を使う方法がありますが、
現在の所、無洗米の規格が無く品質の保証が出来ない状態です。

洗わなくても良い、ではなく洗ってはいけません、十分水分を含んでしまった米はスープを薄くしてしまいます。

一番やってはいけないこと、料理雑誌によく書いてあるのにはビックリです、
米をといだ後ざるに上げそのままにして置くこと。!駄目です!
米は水分を含んだ後で乾く時表面がひび割れ起こす事があります、

ひび割れたり、割れた米は不必要な粘りの原因になります。 (米を砕く必要がある時は、水分を加えると良い)
もともと洗う必要が無いわけですから、よけいな事はしないこと。

●4・お米は油で炒める、炒めぬか。
スペイン米は炒めません。
 日本米は炒めた方がパラリとした感じに仕上がります、炒めると言うより、あえる方が正しい、
弱火で透明感が出るようにあえます。強火で白くハゼさせては駄目です。
オイルで炒めるとパエリア自体のオイルの総量が多くなる欠点が有ります。
どちらが良いかは好みの問題です。

CASAではスペイン米も日本米も炒める事は有りません、
その方がお米の特徴が良く現れるからです。
(Paella以外の米料理では炒める事はあります。)

●5・炒めた玉葱を入れる、入れぬか。玉葱を入れるも料理雑誌のレシピの定番ですが、入れません。
玉葱には旨味成分が沢山含まれています、 
しかし玉ねぎを炒めると、砂糖の50倍(カロリーは0)の甘さの物質が生成されます。
これがお米の美味を邪魔します。

理想的に作られたパエリアはタマネギなど使わずとも、お米がとても甘く美味しい物です。
スッキリした味と美味しいお米にはよけいな物は入れない事、料理には愛情これが1番よけいな物かも。

●6・やってはいけないこと1。
黄色く着色するために、ターメリックを使う、カレー風に味や風味が付くわけでは有りませんが、無理して染める必要は無いでしょう。

  スペインでも高価なサフランの代わりに黄色の着色料「コロランテ」を使う事が良くあります、
しかし本当に美味しいパエリアはあまり黄色くはありません、使わないほうが良い。

サフランだけで黄色に染まるほど使うと薬品臭く食べられません。

●7・やってはいけないこと2。
トマトソースの代りに市販のケチャップを入れる、甘くなってしまって駄目です。

●8・蛇足
  一般的に日本のご飯を炊く時米全体の水分を均一にする目的ためにといだ後ざるに上げているようですが。
そのままざるに上げずに水の中2時間ほど置いておくのが正解です。(特に一般家庭では)

●9・蛇足
 和食のだしに昆布が欠かせない様に、昆布を使わない洋食にはトマトが欠かせないのです、
昆布もトマトも旨味の成分グルタミン酸が多量に含まれているからです、
鰹節の代わりがイノシン酸を含むのが鶏がらです、
具のアサリやホタテに含まれるコハク酸と鶏がらなどをローストした時に出来る焦げの成分メラノイジン、香の成分ピラジン類の四重奏で、
化学調味料では遠く及ばないパエリアが出来上がります。

●10・一番大事な事
塩化ナトリュウム99%など表示のある食塩は使わぬこと、
塩化ナトリュウムが99%の塩は自然界では存在しません、
究極の化学調味料です勿論悪い意味で。

(肉料理などはマグネシュームが多い塩ですと固くなる事があります、すき焼きなどで、こんにゃくと牛肉を離して入れる等。)

塩はいくら高価な物でもそのまま食べるわけでは有りませんからわずかな費用です、
自然塩を使いましょう。
自然塩と言っても岩塩以外は全て人の手を加えた塩ですがより自然に近い塩を使って下さい。

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