ケソ(スペインチーズ)の紹介
QUESO ケソ (SPANISH CHEESE)

チーズとパンとワインが有れば人間が必要とする栄養素は十分です、
足りない物が有るとすれば食物繊維ぐらいです。
そんな大事な食べ物で美味しいスペインチーズを紹介します。

中世の世界にタイムスリップしたかと思われるほど、のどかな風景が車窓の外に広がる。

のんびりと草をはむ羊の群れ、馬にまたがった羊飼い、見渡す限り人家などは見当たらない、
真っ青な空に浮かぶわずかな雲までも、日本の物と違って見える、
羊たちは自然には生えている餌のハーブを求めて移動し続ける。

今でも長期間羊飼いは羊と生活を共にするそうだ、
羊の移動で街中を通るときは交通を遮断してひたすら羊が通り過ぎるのを待っているのだ、

こんな環境で育った羊のミルクが美味くないはずは無いだろう、
自然のハーブのエキスや香りが濃縮されたミルク、
そのミルクから作るチーズも格別な物となるわけだ、

スペイン・アルタミラ洞穴などの壁画からイベリア半島では古くから牧畜が行われていたことが創造できますが、
フランスやイタリアの大規模製造農家と違って今でも少量ながら各土地で沢山の手作りチーズが作られています。



ケソ(チーズ)に赤ワインこれ以上の至福な時間は望めない。
スペインチーズ マンチェゴ(MANCHEGO)
産地:カスティーヤ・ラマンチャ地方 原料:羊乳「マンチェガ種」
<PDO指定> 脂肪:50%

スペインを代表するチーズで、
セルバンテスの小説 “ドンキホーテ”にも登場します。
熟成期間によりいろいろなタイプがあり、
3ヶ月位の若いものはしっとりしてミルクの風味が濃厚です。
6ヶ月熟成のものは羊乳特有のコクが強く、
乾燥して少しポロポロしてきます。

赤ワインの軽い物から重い物までと非常に相性が良いです。
赤ワインの渋みタンニンを乳脂肪が丸く包んでくれる感じで、
アミノ酸の旨みがじんわりと伝わって来ます。

昔チーズを縄のようなもので巻いて熟成をしていたので、
チーズの回りにはその縄目模様が着いていました。
現在でも伝統的な縄目模様だけは残しています

この文書を書いているだけでワインが飲みたくなってしまう。

セミクラード(SEMI―CURADO)
産地:カスティーヤ・ラマンチャ地方  原料:牛・羊・山羊の混合乳
脂肪:45%
3種混乳のスペイン独特のチーズで、一般的にテーブルチーズとして普及しています。
その味はクセがなく食べやすく、熟成には6週間を要します。加熱すると溶けやすいので
食材として料理にも使われます。白ワイン・ロゼワイン・ライトな赤ワインと合います。

ティエルノ(TIERNO)
産地:カスティーヤ・ラマンチャ地方  原料:牛・羊・山羊の混合乳
脂肪:45%
前述のセミクラードと3種混入のチーズですが、熟成期間は7日間と短いのでとてもソフトでクリーミーなものになります。クセがなく非常に食べやすく、食材としても優れたものです。ワインはフルーティーな白やロゼと良く合います。

マオン(MAHON)
産地:メノルカ島  原料:牛乳   <PDO指定>
脂肪:45%
濃いオレンジ色の外皮を持つ非常に個性的なチーズです。
1ヶ月の熟成後オリーブオイルとパプリカでこすり、
さらに2ヶ月の熟成を経てこのチーズになります。

味は、コクがありシャープで熟成の進んだものはカラスミのような風味を持ちます。
辛口の白・赤ワインやドライシェリーに合います。

ラ・セレナ(LA SERENA)
             <PDO指定>
産地:エストラマドーラ地方      原料:羊乳
脂肪:52%
ここの羊はメリノ種で非常に良質のミルクを生出し、そのミルクから出きるこのチーズは。
ウォッシュタイプのようにに柔らかくペースト状です。その工程はアーティサーノといわれほとんど手作りで、レンネット(チーズを固める酵素)は植物からのものが使われていてスペインでも最も珍しいチーズです。味は、羊乳特有の深みのあるコクを持ち若干の苦みを舌に感じます。
ペドロヒメネス(シェリー)・カヴァ(シャンペン)・フルボディの赤ワインと良く合います。

ムルシア・アル・ヴィーノ(MURCIA AL VINO)
 <PDO指定>
産地:ムルシア地方          原料:山羊乳
脂肪:45〜50%
外側を赤ワインでウォッシュするので、外皮がバイオレット色をした珍しいチーズです。熟成には、2ヶ月を要します。アーティサーノといわれ、ほとんど手作業で作られます。
中身は山羊乳特有の白さをし、風味は味軽いワイン臭を感じ、まろやかな酸味とコクを持っています。フルーティな白、ライトな赤ワインやシェリーと合います。

カブラレス(CABRALES)              <PDO指定>
産地:アストリアス地方        原料:牛乳
脂肪:45〜50%
スペインの代表的なブルーチーズ。その工程はほとんど手作業により、年間の生産量もかぎられ、希少価値となっています。アーティサーノといわれるチーズです。生の牛乳で作られ、自然の石灰質の洞窟の中で最低2ヶ月の熟成を要します。青かび(ブルー)はこの洞窟で自然に発生する世界でも珍しいチーズです。その生地には青かびがまんべんなく入り、味は刺激的で一度口にしますとクセになります。ワインはペドロヒメネス(シェリー)・カヴァ(シャンペン)・熟成した赤ワインと良く合います。
カブラレスはスペイン語では山羊ですが、地名のカブラレス村が由来です、現在は主原料は山羊乳ではなく牛乳です。

私の大好きなチーズです、チーズの欠片と赤ワインその相乗作用で、安物の赤ワインが上物に変身します。

ヴァルデオン(VALDEON)              <DO指定>
産地:カスティーヤ・レオン地方    原料:牛乳
脂肪:45〜50%
とても食べやすいブルーチーズ。オオカエデの葉で包まれているのが、印象的です。このタイプのブルーチーズはスペインでは最も普及しています。ピコス・デ・エウロパという山地の洞窟の中で2ヶ月間熟成されます。ドライシェリー・カヴァ(シャンペン)・重い赤ワインと合います。

ウジョア(ULLOA)                   <DO指定>
脂肪:45〜50%   原料:牛乳
柔らかいために形が崩れないように、ハチマキのように回りを布で巻いた、鏡餅のような形をしています。熟成期間は約20期間。味はテティージャと似ていますが、酸味が少なくマイルドでクリーミーな味わいです。軽くてフルーティーな白ワイン・ロゼや早飲みタイプの赤そして甘めのシェリーに合います。

イデアサバル(IDIAZABARU)           <PDO指定>
産地:バスク地方 及び ナバラ地方  原料:生羊乳
脂肪:45〜50%
バスクの代表なチーズです。外皮を(リンド)スモークしたのと、しないナチュラルの2タイプあります。熟成期間は3ヶ月で、セミハードからハードまで、味の変化を楽しめます。少しの酸味とピリッとした刺激、羊乳、独特のコクがありながら、品のいい、軽い後味です。同じ羊乳とはいえ、羊の種類、産地の違いで、マンチェゴとは、違う味わいです。

<DO指定> とは、
スペイン農水省が認める原産地呼称です。
原産地呼称制度は伝統的農産物の品質と製造方法を保護する制度で、
ワイン、オリーブオイルなどにもつけられています。
Denominacion de Origen デノミナシオン・デ・オリヘンの略。

P.D.O.はProtected Designation of Origin プロテクテッド・デザイネーションオブ・オリジンの略。
EU加盟国間のチーズの原産地名称や品質を法的に保護する目的で定められた法律です。

スペインチーズと日本チーズの違い、
ミルクの品質は家畜が食べた物によって大きく作用されてしまう、人間でもダイオキシンやタバコの毒まで濃縮してしまう、
したがって季節によって食べ物も変わり味も品質も変化します。
自然のハーブ(牧草)を主に食べているスペインの家畜と、配合飼料で育てられた日本の牛乳などは、スペインの乳製品の足元にも及ばないのだ。
日本製のチーズは、スペインの物とまったく別の食べ物と思えてしまう。

日本で少しでも本物の味を知りたければ、ジャジー種の低音殺菌牛乳を飲んでいただければお分かりになると思います。
この牛乳を味わったら、元の牛乳には戻れなくなるかも。

次回は、

スペインチーズを使った美味しいスペイン料理を紹介します。

ここで紹介したチーズは下記の商社で購入出来ます。

スペインチーズの輸入商社
株式会社 コトブキ コーポ
〒183−0011 東京都府中市白糸台1−17−6
TEL :042−334−2651 FAX:042−334−2652

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